この記事でレビューしたTicwatch Pro 5 Enduro。
いろいろ悩んで登山用に購入し、いろいろと不満もありながらも、普段用にも重宝していました。
ところがある日、突然起動しなくなりました。充電器をつなげても無反応。強制再起動を試すもだめ。
ということで、前から気になっていたGalaxy Watch 8 Classicを購入しました。Galaxy Watch Ultraと悩んだのですが、値段と回転ベゼルにひかれ、Classicを選択。
使い始めて数週間が経った今、正直な感想を言うと、もっと早く買えば良かったと思っています。

てぃっくうぉっち買った時はべた褒めしてたのに手のひら返しなのね…
ということで、今回はGalaxy Watch 8 Classicを、Ticwatch Pro 5 Enduroと比較しながらレビューします。
使用シーン
現状、持っている時計がGalaxy Watchだけなので、普段使いから、キャンプや登山などのアウトドアまで幅広く使用しています。
朝起きてから寝るまで、ほぼ一日中腕につけっぱなし。睡眠トラッキングはOura Ringで行っているので、寝ているとき以外は常に身につけている状態です。登山では地図アプリのヤマレコと組み合わせて、ナビゲーション用としても活用しています。
主要スペック
Galaxy Watch 8 Classicの主要スペックは以下の通りです。
| 項目 | Galaxy Watch 8 Classic | Ticwatch Pro 5 Enduro(参考) |
|---|---|---|
| ディスプレイ | 1.34インチ Super AMOLED 438×438ドット | 1.43インチ AMOLED 466×466ドット |
| 最大輝度 | 3,000ニット | – |
| プロセッサ | Exynos W1000(5コア、3nm) | Snapdragon W5+ Gen 1 |
| メモリ | 2GB | 2GB |
| ストレージ | 64GB | 32GB |
| バッテリー | 445mAh(最大40時間) | 628mAh(約90時間) |
| 防水性能 | 5ATM / IP68 | 5ATM / IP68 |
| 素材 | ステンレススチール | アルミニウム |
| サイズ | 46×46.4×10.6mm | 50.15×48×13.7mm |
| 重量 | 約63.5g | 約54g |
| OS | Wear OS 6 + One UI 8 Watch | Wear OS 4 |
| 価格 | 82,900円 | 発売当時約5万円 |
スペック表を見ると、ディスプレイサイズとバッテリー容量ではTicwatchが優位ですが、それ以外の多くの点でGalaxy Watch 8 Classicが上回っています。特に3nmプロセスの新しいプロセッサと、ストレージ容量の倍増は注目です。
開封と第一印象



パッケージを開けると、本体、充電器、クイックスタートガイドが入っています。シンプルな内容ですが、必要十分です。
本体を手に取った第一印象は、思ったより軽いということ。ステンレススチール製なので重いかと思いきや、63.5gという重量は腕につけていても気になりません。Ticwatch Pro 5 Enduroは54gとさらに軽かったのですが、質感の高さを考えると、この重さは納得できます。
回転ベゼルはカチカチと確実なクリック感があります。触っているだけで楽しくなります。ただし、若干緩いのが気になります。もう少し固めでも良かったかなと思います。
ディスプレイは1.34インチとTicwatchより小さいのですが、最大輝度3,000ニットという圧倒的な明るさのおかげで、屋外でも非常に見やすいです。登山中の直射日光下でも、画面がはっきり見えるのは大きなメリットです。
同梱されているバンドは、表が革調で裏が肌触りの良いシリコン製。ただ、デザインはシンプルすぎて少し物足りなさを感じました。



Tickwatchと並べてみました。改めて並べてみると、Ticwatchのデザインは好きですね。最後のモデルはAtrasなんですが、デザインはEnduroの方が好きです。画面の大きさも魅力。
気に入ったポイント
スマホアプリの完成度が段違い
これが一番感動したポイントです。Ticwatchの専用アプリ「Mobvoi Health」がひどかったので、これだけでも買い換えて本当に良かったと心から思います。
Samsung HealthとGalaxy Wearableアプリの完成度は段違いです。ウォッチフェイスの変更、アプリのインストール、各種設定のカスタマイズ、すべてが直感的でスムーズに行えます。Ticwatchでは同期に時間がかかったり、日本語が変だったり、細かい操作性などでどうしても完成度が低く感じました。Samsung Healthでは、Google Fitと同じように、歩数、睡眠、心拍数などのデータを一元管理できます。
健康データの表示も見やすく、睡眠スコアや心拍数、歩数などが一目でわかります。データの同期も早く、ストレスフリーです。
回転ベゼルの操作性
やはり物理的な回転ベゼルは便利です。地図の拡大縮小やスクロール、メニューの選択などが非常にやりやすい。
Ticwatchも竜頭を回転させて操作できましたが、Galaxy Watchの回転ベゼルのほうが操作範囲が広く、指が滑りにくいので使いやすいです。特に手袋をしている場合では、この差が大きく感じられます。
カチカチという触覚フィードバックも心地よく、今どこを選択しているのかが感覚的にわかります。
Google Gemini統合
Galaxy Watch 8シリーズから、GoogleのAIアシスタント「Gemini」が統合されています。音声で「○○のアプリを開いて」と指示すると、すぐに起動してくれます。TicwatchはGoogle Assistantが使えなくなりずっと不便に感じていました。やはり音声操作はあった方が便利です。
Geminiであるメリットはまだよくわかりませんが、これからいろいろ試してみようと思います。
ヘルスコネクトとの同期が速い
Googleのヘルスコネクトとの連携が非常にスムーズです。Ticwatchは同期されるまでに時間がかかり、時には数時間待っても反映されないこともありました。
Galaxy Watchは、ほぼリアルタイムで同期されます。朝夕のウォーキングのデータが、スマホを開いたらもう反映されている。この速さは、健康管理のモチベーション維持にもつながります。
バッテリー持ちと省電力性能
バッテリー容量は445mAhとTicwatchの628mAhより小さいのですが、3nmプロセスのExynos W1000チップの省電力性能のおかげで、実用的なバッテリー持ちを実現しています。
普段使いで約40時間、登山でGPSを使い続けても1日は十分持ちます。Ticwatchの約90時間には及びませんが、毎晩充電する習慣があれば問題ありません。
FeliCa対応で電子決済が便利
日本国内モデルはFeliCaに対応しているため、コンビニやキャンプ場の売店で、手首をかざすだけで決済できます。最近はキャッシュレス決済対応の山小屋も増えてきているので、登山中、財布を出さずに山小屋で支払いができるのは地味に便利です。
気になったポイント
回転ベゼルが緩すぎる
便利な回転ベゼルですが、回転がやや緩いのが気になります。
袖が固めの服を着ると、袖が擦れてベゼルが回ってしまうことがあります。気づいたら画面が変わっていて、戻すのが少し面倒です。もう少し回転の抵抗が強いほうが、誤操作を防げたと思います。
厚手のジャケットを着ている時に、この問題が顕著でした。ベゼルにロック機能があれば理想的なのですが、現状そのような機能はありません。
サードパーティー製バンドが少ない
サードパーティー製のバンドが意外と少ないです。
Amazonで探してみても、選択肢が限られています。Apple Watchほどの豊富なバリエーションは期待できません。純正バンドも販売されていますが、値段が高めです。
画面サイズがやや小さい
Ticwatch Pro 5 Enduroの1.43インチから、Galaxy Watch 8 Classicの1.34インチに変わったことで、地図表示などでは表示範囲が狭くなってしまいました。
登山中にヤマレコの地図を見る際、Ticwatchでは周辺の地形がもう少し広く見えていたのですが、Galaxy Watchでは頻繁に拡大縮小をする必要があります。
本体サイズも大きくなってもいいので、画面サイズはもう少し大きくしてほしいです。
ヤマレコとの相性に問題?
これが一番困っているポイントです。ヤマレコ使用中に、勝手に文字盤に戻ってしまいます。
登山中、ヤマレコを起動している状態でしばらく歩いた後、画面を見ると、Ticwatchはヤマレコの地図がそのまま表示されていたのですが、Galaxy Watchは文字盤に戻ってしまっていました。
一度、ヤマレコのサポートに問い合わせしてみようかと思います。
Galaxy Watch Ultraとの比較で迷う
使っていて不満はほとんどないのですが、Galaxy Watch Ultraの存在が頭をよぎります。
Ultraは10ATMの防水性能、590mAhの大容量バッテリー、1.5インチの大画面など、アウトドア向けのスペックが魅力的です。価格は126,940円とClassicより4万円以上高いのですが、登山メインで考えるとUltraのほうが良かったかもしれない、という迷いはあります。
ただ、Classicの回転ベゼルとクラシックなデザインも捨てがたいので、結局は用途と予算次第だと思います。
おすすめできる人・できない人
- 回転ベゼルの操作性を重視する人
- Galaxyスマホユーザー
- クラシックなデザインが好きな人
- 健康管理を本格的にしたい人
- 1日〜2日の充電が苦にならない人
- 登山での長時間使用を重視する人
- 大画面を求める人
- 予算を抑えたい人
- バンドのカスタマイズを楽しみたい人
まとめ
Galaxy Watch 8 Classicは、クラシックなデザインと最新のテクノロジーが融合したスマートウォッチです。
Ticwatch Pro 5 Enduroから乗り換えて、特に感動したのはアプリの完成度の高さと回転ベゼルの操作性でした。Ticwatchでストレスに感じていた点が、ほぼすべて解消されています。
確かに、画面サイズが小さくなったことや、ヤマレコとの相性問題など、気になる点もあります。バッテリー持ちもTicwatchには及びません。それでも、総合的な使い勝手の良さを考えると、この8万円台の投資は十分に価値があると感じています。
登山メインで考えるなら、Galaxy Watch Ultraも魅力的です。10ATMの防水性能と大容量バッテリーは、過酷なアウトドア環境で安心感を与えてくれるでしょう。ただ、普段使いとアウトドアの両方をバランス良くこなしたいなら、Classicのほうが適していると思います。
結局のところ、Ticwatch Pro 5 Enduroの突然の故障は、より良いスマートウォッチに出会うきっかけになりました。もっと早く買い替えていれば、あのストレスフルな日々を過ごさずに済んだのに、と思うと少し残念です。
スマートウォッチ選びで迷っている方、特にTicwatchからの乗り換えを検討している方には、自信を持ってGalaxy Watch 8 Classicをおすすめします。
