よく気分転換に、山奥の林道沿いや河原でデイキャンプをするのですが、そこで困るのがトイレと通信。トイレは我慢するとして、スマホが圏外なのはかなり不便です。まあ、デジタルデトックスと割り切ってのんびりするならいいのですが、そうじゃないときには通信手段が欲しいので、ずっとスターリンクが気になっていました。

デイキャンプ最高なのね!
とはいえ、持ち運ぶには少々でかいなと思っていたところ、日本でもミニが購入可能に。金額と使用頻度を天秤にかけて悩んでいたところ、公式でセールされていたので購入してみました。
はたして、山奥で快適に使えるのか、また、使い勝手が良ければ、車中泊しながらのワーケーションでの活用もできそうです。
今回は、実際に山奥で使用した実測データや他モデルとの比較、日本で利用できる契約プランまで、詳しくレビューします。
主要スペック比較
スターリンク各モデルの比較をして見ました。公式の仕様表を参照したのですが、モデルごとに項目が統一されていないので若干歯抜けになってしまいました。
この他、エンタープライズやperformanceというのもありますが割愛します。
項目 | ミニ | 標準フラット | 標準ムーブ |
---|---|---|---|
大きさ | 259 x 298.5 x 38.5mm | 594 × 383 × 39.7mm | 513× 303 × 343mm |
アンテナ | 電子フェーズドアレイ | 電子フェーズドアレイ | 電子フェーズドアレイ |
視野 | 110度 | 110度 | 110度 |
方向調整 | ソフトウェアアシストによる手動方向調整 | ソフトウェアアシストによる手動方向調整 | 自動方向調整 |
重量 | 1.10kg キックスタンド付き:1.16kg キックスタンドと15mのケーブル付き:1.53kg | 2.9kg キックスタンド付き:3.2kg | 不明 |
耐環境性 | IP67タイプ4のDC電源ケーブルとStarlinkプラグ/ケーブルを装備 | IP67タイプ4 | IPS54 |
動作温度 | -30°C~50°C | -30°C~50°C | -30°C~50°C |
耐風性 | 耐風性:96km/時以上 | 耐風性:96km/時以上 | 不明 |
融雪機能 | 最大25mm/時 | 最大40mm/時 | 最大40mm/時 |
電力消費 | 平均:25~40W | 平均:75〜100W | 平均:50~75W |
入力定格 | 12~48V 60W | ||
USB PD要件 | 100W、最小20V/5A | ||
WiFiテクノロジー | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11 a/b/g/n/ac/ax | 802.11a/b/g/n/ac |
世代 | WiFi 5 | WiFi 6 | WiFi 5 |
無線 | デュアルバンド3 x 3 MU-MIMO | トライバンド4 x 4 MU-MIMO | デュアルバンド – 3 x 3 MIMO |
イーサネットポート | ラッチ式イーサネットLANポート1つ(Starlinkプラグ付き) | 2つのラッチ式イーサネットLANポート(取り外し可能なカバー付き) | オプション |
適用範囲 | 最大112m² | 最大297㎡ | 最大185 m² |
セキュリティ | WPA2 | WPA2 | WPA2 |
電源ランプ | LED | 背面のフェースプレート、左下隅 | LED | フェースプレート、ルーターの左下隅 | |
メッシュの互換性 | すべてのStarlinkメッシュシステムとの互換性あり *他社製メッシュシステムとは併用できません | Starlinkの第2世代と第3世代のメッシュノードに対応。最大3つのStarlinkのメッシュノードに対応。*サードパーティのメッシュシステムとの互換性はありません | 最大3つのStarlinkメッシュノードに対応 |
デバイス | 最大128台のデバイスを接続可能 | 最大235台のデバイスを接続可能 | |
備考 | アンテナとルーターが一体化 |
各モデルをまとめると以下の様なイメージです。
- ミニ:軽量で持ち運び可能、アウトドアや一時利用向け。
- 標準フラット:主に自宅や拠点設置用で通信のパフォーマンを重視する人向け。
- 標準ムーブ:方向設定を自動でしてほしい場合。ただし、手動でも一度すればいいと思うのでいまいち用途は不明。
- エンタープライズ・performance:ミッションクリティカル用途。共用施設等向け。
持ち運んで出先で使うのであればミニ一択かと思います。ルーターが一体になっている点、消費電力が少ない点で他モデルと比べて圧倒的に優位ですね。
外観と同梱物


Starlink Miniは非常にコンパクトな筐体で、バックパックにすっぽり収まるサイズ。同梱物は以下の通り。
- Starlink Mini本体
- キックスタンド
- パイプアダプター&フラットマウント
- 電源けープル
- ACアダプタ
- 説明書



裏面。キックスタンドが最初からついています。
今回、USB-CケーブルもAmazonで購入しました。公式でも買えるようですが、とりあえずサードパーティー製の安い物にしました。
日本で利用可能な契約プラン比較
さて、通信機器ですので本体を購入して終わりではありません。通信費というものが別途必要です。現時点で利用できるプランは以下の通り。
プラン名 | 月額料金 | データ容量 |
---|---|---|
ホームLITE | 4,600円 | 無制限(ただし低優先度) |
ホーム | 6,600円 | 無制限 |
ROAM 10GB | 1,500円 | 10GB |
ROAM 50GB | 6,500円 | 50GB |
ROAM 無制限 | 14,400円 | 無制限 |
ホームは特定の場所に固定して使うプランです。今回の用途とはあいませんのでROAMから選ぶことになります。
ROAMの3つは単純にデータ容量の違いのみ。また、使わない月は停止することも可能です。ちなみに初期契約時には50GBと無制限しか選べませんが、注文時にアカウントを作り、後から10GBに変更することが可能です。これは、開通前にも可能で、とりあえず60GBか無制限でスタートしないといけないということもありません。筆者も注文後、本体が届く前に変更しました。
加えて、足りなくなったら1ギガ当たり260円で追加可能です。
開通作業

とりあえず自宅の駐車場で開通作業がてら通信テストをしました。開通作業自体はとても簡単で、スマホにいれたアプリの指示通り進めばすぐに終わります。



3回テスト結果が上記のとおり。まあまあ高速です。



auの5G回線だと上記のとおり。くだりは圧倒的にスターリンクの方が早いですね。
実際の屋外使用レポート
後日、いつもの山奥のデイキャンスポットにテストに行ってきました。


一応、説明書には北側の空が広く開けていないとダメみたいなことが書いてあります。このスポット、周りが木で囲まれている上に、ちょうど北側に山があってやや視界が隠れているのですが、問題なく通信できました。
早さ下り140〜180Mbps、上り3〜9Mbpsで十分。
ひとつ誤算だったのが、手持ちのポータブル電源のUSB-Cポートが出力不足で使えなかったこと。
公式では100W推奨なんですが、ポータブル電源のUSB-Cは45Wでした。電源自体は入るのですが、頻繁にWi-Fiが切れて使い物になりません。
消費電力は衛星を補足して安定した状態で20W弱でした。標準タイプに比べるとかなり省エネです。
気に入ったポイント
- 高速通信:山奥でも下り140〜180Mbpsという十分な速度を実測。
- 設置の簡単さ:専用スタンドで置くだけ、向きも数秒で調整可能。
- コンパクト・軽量:車中泊やキャンプ道具と一緒に持ち運びやすい。
- USB-C給電対応:モバイルバッテリーや車載電源から給電可能(100W必須)
気になったポイント
- 電源要件が高い:USB-C給電とはいえ100Wが必要。一般的なモバイルバッテリーでは動かない場合も。
- 上り速度は控えめ:動画配信や大容量ファイル送信にはやや不向き。
- 価格は安くない:端末代に加え月額費用もかかる。
おすすめできる人・できない人
- アウトドアや車中泊で安定した高速通信を確保したい人
- 仕事や配信など屋外でのインターネット利用が必須な人
- 軽量コンパクトな通信機器を求めている人
- 自宅だけで使う予定の人(標準タイプのほうが高速)
- 低価格で済ませたい人
- 上り速度が必要な業務(大容量アップロード)を行う人
まとめ
Starlink Miniは、これまでアウトドアでの通信環境に不満を感じていた人にとって非常に魅力的な選択肢です。高速通信・設置の簡単さ・持ち運び性を兼ね備え、キャンプや車中泊など活動の幅を大きく広げてくれます。電源要件や価格面のハードルはありますが、通信の自由度を求めるなら間違いなく検討すべき一台です。
次は車中泊でのベストな使い方を検証したいなと思います。推奨は屋根の上等の車外設置だとおもうのですが、車内の北側の窓際に設置しても通信可能なのかが気になる所。もし車内でも可能ならG-Funでマウントを作りたいです。