登山用スマートウォッチで迷子になっているという話を昨年の秋に投稿しました。

今年こそは抜け出したい!ということで、若干妥協しつつもようやく新しいスマートウォッチを購入しました。Ticwatch 5 Pro Enduroです。ということで、なぜこの時計を選んだのか、開封、今使っているPixel Watch2との比較を含めたファーストインプレッションをお届けします。

ときには妥協も必要なのね

Ticwatch 5 Pro Enduroを選んだ理由

まず、昨年の記事でもあげていた候補は、Ticwatch、Galaxy Watch、GARMINやCOROS等のアウトドア専用機でした。あれから半年たちましたが、特に新たな候補も現れず状況は変化なし。そんな中、アウトドア専用機は候補から離脱しました。理由はやはり値段が高いということ、普段使いを考えるとWearOS機が良いと言うことでした。

ということで、残ったのはTicwatchとGalaxy Watchです。WearOSの最新バージョンが使えて、SUICAにも対応しているという点でGalaxy Watchは魅力的です。Pixel Watchから乗り換えても失うものはほぼありません。しかし、Galaxy独自のカスタマイズが入っていること、竜頭の無いデザインが好みでは無いという理由で踏み切れずにいたところ、7の噂が出始め先日正式リリースされました。今回追加されるUltraに期待していたのですが…、残念。竜頭っぽいものが追加されたんですが、実は回らないただのボタン、謎のオレンジの差し色、回転ベゼルの廃止、高い価格設定と、残念な点が多く見送ることに。

ということで、消去法でTicwatch 5 Proとなりました。ちょうどEnduroに新色が追加され、Amazonプライムデー先行セールで少し安くなっていたのが背中を押しました。

ただし、一年前にTicwatch 5 Proを見送った理由は何一つ解決されていません。そのあたりは後から取り上げます。

開封

縦長のシンプルな箱です。空けると時計本体が鎮座していました。

入っているのは、本体、説明書類、充電ケーブルです。充電は独自端子でワイヤレス充電等には対応していません。充電速度を重視すると独自端子は致し方ないですが、ワイヤレス充電「も」対応していたら嬉しいところ。あと、USB-AではなくUSB-Cの方が嬉しかったです。

またオールUSB-Cから後退したのね

Pixel Watch2との比較

Ticwatch 5 Pro EnduroとPixel Watch2を並べてみました。Pixel Watch2の丸っこいデザインも面白いなと思うのですが、やっぱり個人的にはTicwatch 5 Proの様な「THE 時計!」というデザインが好きです。

画面、ボタン、竜頭いずれもPixel WatchよりTicwatch 5 Proの方が大きく、視認性と操作性が格段に上がりました。画面はもっと大きくてもいいくらいです。

ベルトの形状も、Pixel Watchは先端を内側に入れ込むタイプ、Ticwatch 5 Proは従来の時計と同じタイプで、後者の方が使いやすいと感じます。

以上、外観に関してはTicwatch 5 Proの方が圧倒的に好みです。

アプリ比較

まずはヘルスケア関連。Ticwatch 5 ProはMobvoi Health、Pixel Watchはfitbitです。もともと睡眠や心拍などのヘルスケア関連はOura Ringを使っており、fitbitはアクティビティの記録にしか使っていませんでした。Mobvoi Healthに変わってもその点は変わりません。なので、基本あまり触ることが無く、アクティビティの記録を後から見るくらいなんですが、第一印象はfitbitのほうがUIが洗練されていると感じました。操作感やUIデザインなど、好みや慣れの問題も大きいかもしれませんが、fitbitの方が好印象です。加えて、Mobvoi Healthは日本語訳が変なところが多く、とても違和感があります。ちなみに日本語訳に関しては時計本体も同様です。

さらに言うと、Mobvoi Healthは起動時にセール等のバナーがポップアップされることがあります。そのバナーも余り褒められたデザインではなく、かつ英語。これを出して購入まで行く日本人がどれほどいるのか疑問です。

次に時計の設定関連。Ticwatch 5 Proは同じくMobvoi Health、Pixel WatchはGoogle Pixel Watchです。こちらも同様で、Pixel Watchの方がUIが洗練されていると感じました。

ヘルスコネクトへの対応に関して

現在、Androidでヘルスケア関連の情報をアプリ間で同期する際、ヘルスコネクトという仕組みが標準になっています。それ以前は、アプリごとに他のアプリとの連携機能を持っていて、個別に連携を承認するという形でした。実際にはほとんどのアプリがGoogle fitと連携できるようになっており、Google fitがハブのような形で様々な情報が同期されていました。

ヘルスコネクトにかわってからは、Android端末内でヘルスコネクトを介してデータが連係されるようになりました。現在利用しているヘルスケア関連アプリもほぼ全てがヘルスコネクトに対応してくれているのでスムーズに連携できて便利です。

しかし、この点に関してもMobvoi Healthは後れをとっています。一応ヘルスコネクトには対応しているのですが、連携項目が歩数のみ。まじか!と後悔しかけたのですが、別途Google fitと連携設定がありました。こちらを利用することでアクティビティ等の同期はできたので、一応は問題ないのですが、やはりモヤッとします。おそらく従来のGoogle fit連携からヘルスコネクト連携に移行すべき所を、まだ歩数しか対応できていないという状況なのでしょう。日本語訳のクオリティ、WearOSの最新バージョンへの対応遅れなど、どうもMobvoiはソフトウェアの開発力に難があるようです。ハードはとてもいいんですけどね。

まとめ

一年前に見送った理由を含めいくつか課題はありますが、総合的にはいい製品だと思います。特にアウトドアが趣味の人は他に代わりが無い存在と言っても過言ではありません。まとめると次に様な感じです。

よかったところ
  • アウトドアに最適なハードスペック
  • 「THE時計!」のデザイン
  • 他のアウトドア系スマートウォッチと比べて安価(以前ほどでは無いにしても)
  • 2層ディスプレイを活用したバッテリーもち
  • 操作等のもたつきの無い十分なスペック
イマイチなところ
  • 日本語が変(時計、アプリ共に)
  • WearOSの最新バージョンへの対応が遅い
  • 充電ケーブルがUSB-A
  • Googleアシスタントが使えない
  • SUICAが使えない

補足

WearOSの最新バージョンに関しては何とかしてほしいところ。もうすぐWearOS5が出るというこのタイミングで、未だに4もリリースされていません。ただ、Pixel Watch1とPixel Watch2を使って思ったのは、WearOSに関してはバージョンが上がってもそれほど大きな変化が無いので、スマホをPixelにして最速で最新のAndroidを使うほど恩恵が無かったということ。

Googleアシスタント非対応はかなり不便なので早期に使える様にしてほしいです。

一方SUICAに関しては、結局Pixel WatchでSUICAを使う機会はほとんど無く、たまに自販機等で便利かな程度でした。あるにこしたことはないですが、無くなってもそこまで大きく困ることは無いというのが個人的な感想です。

以上、総合的にはおすすめです。特にアウトドアが趣味の人は是非使ってみてください。